はいたい! 『うむい沖縄』管理人の、うむいちゃんです。
沖縄でヤギ(ヒージャー)が「クスイムン(薬食)」や「ヒージャーグスイ(ヤギ薬)」と呼ばれていること 、完全ガイドでも少し触れましたね。
でも、それって「昔からの言い伝え」なんでしょうか?
いいえ、違います。 私、うむいちゃんが管理栄養士の視点 から見ても、ヤギ肉は「クスイムン」と呼ばれるにふさわしい、驚くべき栄養価を秘めた食材なんです。
今回は、その「ヒージャーグスイ」の秘密について、管理栄養士の知識を総動員して、徹底的に深掘りします!
ヤギ肉は高価ですが、それゆえに「大切な人の健康を願うギフト」として最適です。 特に、食が細くなった高齢のご両親への贈り物として喜ばれています。「いつまでも元気でいてね」というメッセージと共に、沖縄の長寿食を贈りませんか?

はいたい!管理人の「うむい」です。
保有資格
・管理栄養士
・調理師
病院食・学校給食、行政の料理教室講師などで、食と健康の専門家として合計17年の実務経験を積む。 現在は行政の立場から、住民の健康増進をサポート。
現在も、行政の立場から住民の皆さまの健康増進をサポートする仕事に携わっています。
ヤギ肉は「奇跡の赤身肉」だった!

栄養価のお話に入る前に、「なぜ沖縄でヤギが薬(ヌチグスイ)として定着したのか」、その歴史的背景を知ると、数字の意味がもっと深く理解できますよ。
ヤギの赤身肉の栄養価が、他のお肉(牛肉・豚肉・鶏肉)と比べていかに優れているか、データを見てみましょう。
- 1. 圧倒的な「低カロリー」 ヤギ肉(100g)のカロリーは、なんと 109kcal(国際的な食品成分データベース(USDA等)における生の山羊肉(赤身部分)の分析値 )。 これは、牛肉(サーロイン、100gで約250kcal)と比較すると、半分以下です 。
- 2. 驚きの「低コレステロール」 コレステロール値も、ヤギ肉(100g)は 57mg(国際的な食品成分データベース(USDA等)における値 )。 鶏肉の89mgと比べても、大幅に低いことがわかります 。
- 3. 理想的な「高タンパク・低脂肪」 ヤギの赤身肉(1カップ、約238g)には、タンパク質が 64.3g も含まれているのに、脂質はわずか 7.1g しかありません 。 これは、筋肉の健康をサポートする 上で、非常に理想的なバランスです。
- 4. 豊富な「必須栄養素」 ヤギ肉には、鉄、亜鉛、ビタミンB群といった、現代人に不足しがちな必須栄養素もしっかり含まれています 。
伝統的に「滋養強壮によく、疲れを取る」と言われてきたのは、この高タンパクな特性が科学的に裏付けていたんですね。この栄養価の秘密が、沖縄でヤギ食(ヒージャー)が「クスイムン(薬食)」として根付いた文化的な背景や歴史にどう繋がるのかを体系的に理解するために、まずは沖縄のヤギ食文化の完全ガイドをご覧ください。
管理栄養士うむいちゃんの「クスイムン」注意点
「こんなにヘルシーなら、いくら食べても大丈夫!」…と、言いたいところですが、管理栄養士 としては、一つだけ大事な「注意点」をお伝えしなければなりません。
1. 「ヤギ汁」の脂は別問題

ここまでお話しした低カロリー・低脂肪のデータ は、主に「ヤギの赤身肉(Lean Meat)」のものです。
しかし、沖縄の伝統的な「ヤギ汁(ヒージャー汁)」は、赤身肉だけでなく、骨や内臓(ホルモン) 、そしてそれに付随する脂(あぶら)も丸ごと長時間煮込んで作られます 。
この『脂と臭み』のハードルを、初心者がどう乗り越えれば良いのか。私自身が克服した具体的な方法と、専門店での『ある注文方法』を以下の記事で徹底ガイドしています。
ヤギ汁初心者が「脂少なめ」オーダーで臭みを克服した方法はこちら
2. 「レバー」は食べ過ぎ注意!
ヤギ料理の希少部位として「レバー」 もありますが、レバーは(牛・豚・鶏レバーと同様に)栄養価が非常に高い反面、注意が必要な食材です。
ヤギレバーはビタミンAの宝庫ですが、その含有量はトップクラスであり、過剰摂取は健康被害のリスクを伴います 。特にヤギ刺し(生食)としてレバーやその他の部位を楽しむ際は食中毒の注意が必要です。
食中毒のリスクや法的規制については、『ヤギ刺し完全ガイド』で詳しく解説しています
生肉食の安全性は、管理栄養士として最も重視するポイントです。ヤギ刺しが法的にどのような位置づけにあるのか、過去の事故事例、そして安全に楽しむための信頼できる名店選びの基準について、以下のガイドで詳しく解説しています。
「血」の栄養価とチーイリチー
血液が赤いのは、赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質の色です。
ヘモグロビンは、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運ぶという、生命維持に不可欠な役割を担っています。
そして、このヘモグロビンを合成するために必須の構成要素が「鉄」なのです。
このように、チーイリチーが『血を補う』知恵として、体への吸収率が非常に高い『ヘム鉄』を補給できることは、栄養学的に見ても非常に合理的です 。
ヤギは肉や内臓だけでなく、その「血」も「クスイムン」として食されてきました。特にヤギの血を使った「チーイリチー(血イリチー)」は、体への吸収率が非常に高い「ヘム鉄」を豊富に含み、貧血予防の知恵として注目すべき料理です。
まだある!ヤギの恵み「ヤギミルク」の栄養価
「ヒージャーグスイ」の力は、お肉だけではありません。 近年、沖縄でも注目されている「ヤギミルク」 も、牛乳とは違った素晴らしい栄養価を持っています。
ヤギミルクの具体的な栄養価、牛乳との違い、おすすめのお土産やスイーツについては、こちらの「沖縄ヤギミルク総合ガイド」で詳しく解説しています。
まとめ | ヤギは丸ごと「クスイムン」

ヤギ肉の素晴らしい栄養を理解したら、ぜひ現地で味わってみてください。初心者で「臭み」が不安な方は「沖縄ヤギ汁「臭い」は嘘?初心者が「南山」で克服した全方法」 を、生食に挑戦したい方は「安全なヤギ刺しの名店ガイド」 を参考に、最高の「ヒージャーグスイ」体験を!


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