沖縄でヤギが「ヒージャーグスイ(ヤギ薬)」と呼ばれるのは、言い伝えだけなのか。
この記事では管理栄養士の視点で、ヤギ肉を牛・豚・鶏と栄養成分で比較し、「体に良い」をどう判断するかの基準を作ります。赤身の良さとヤギ汁の脂は別物として整理し、量と食べる頻度の考え方も説明。レバーの食べ過ぎによるビタミンA過剰、生食の食中毒リスクなど注意点も解説します。
特定の効果や治癒は保証せず、持病がある方は主治医の指示に従ってください。
- ヒージャーグスイをデータで検証:牛豚鶏と栄養比較
- 赤身の良さとヤギ汁の脂がわかる:別物として理解
- レバー食べ過ぎ注意がわかる:ビタミンAのリスク
- 生食の食中毒リスクを切り分けられる:注意点の整理
ヤギ肉は「奇跡の赤身肉」だった!

栄養価のお話に入る前に、「なぜ沖縄でヤギが薬(ヌチグスイ)として定着したのか」、その歴史的背景を知ると、数字の意味がもっと深く理解できますよ。
ヤギの赤身肉の栄養価が、他のお肉(牛肉・豚肉・鶏肉)と比べていかに優れているか、データを見てみましょう。
ニーニーおいおい、ヤギ汁って言ったら脂ギトギトのイメージだわけさ。本当にそんなに体にいいのか? 俺は信じないよ~。
うむいちゃん(うるうる……)ニーニー、違うんです。その誤解が一番悲しい……ッ! 実はデータで見ると、ヤギの赤身肉って、牛肉や豚肉が裸足で逃げ出すほどの「奇跡のスペック」を持ってるんですよ。その研ぎ澄まされた栄養バランスの美しさと言ったら……ううっ、思い出しただけで涙が止まりません……!
ニーニーあい! なんで肉の成分表見て泣いてるばー!? ……え、でもちょっと待てよ。牛肉の半分以下のカロリー? しに(超)すごくないか、それ?
- 1. 圧倒的な「低カロリー」 ヤギ肉(100g)のカロリーは、なんと99kcal(国際的な食品成分データベース(USDA等)における生の山羊肉(赤身部分)の分析値 )。 これは、牛肉(赤肉 238kcal)・豚肉(赤肉 202kcal)と比較すると、半分以下です 。
| 食品成分 | エネルギー(kcal) | 脂質(g) | たんぱく質(g) |
| やぎ/肉/赤肉/生 | 99 | 1.5 | 21.9 |
| うし/ [乳用肥育牛肉] /ヒレ/赤肉/焼き | 238 | 15.2 | 27.2 |
| ぶた/ [大型種肉] /ヒレ/赤肉/焼き | 202 | 5.9 | 39.3 |
伝統的に「滋養強壮によく、疲れを取る」と言われてきたのは、粗食動物でありながら高タンパク質であるヤギの特性が科学的に裏付けていたんですね。この栄養価の秘密が、沖縄でヤギ食(ヒージャー)が「クスイムン(薬食)」として根付いた文化的な背景や歴史にどう繋がるのかを体系的に理解するために、まずは沖縄のヤギ食文化の完全ガイドをご覧ください。
管理栄養士うむいちゃんの「クスイムン」注意点
「こんなにヘルシーなら、いくら食べても大丈夫!」…と、言いたいところですが、管理栄養士 としては、一つだけ大事な「注意点」をお伝えしなければなりません。
1. 「ヤギ汁」の脂は別問題

ここまでお話しした低カロリー・低脂肪のデータ は、主に「ヤギの赤身肉(Lean Meat)」のものです。
しかし、沖縄の伝統的な「ヤギ汁(ヒージャー汁)」は、赤身肉だけでなく、骨や内臓(ホルモン) 、そしてそれに付随する脂(あぶら)も丸ごと長時間煮込んで作られます 。
この『脂と臭み』のハードルを、初心者がどう乗り越えれば良いのか。私自身が克服した具体的な方法と、専門店での『ある注文方法』を以下の記事で徹底ガイドしています。
ヤギ汁初心者が「脂少なめ」オーダーで臭みを克服した方法はこちら
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2. 「レバー」は食べ過ぎ注意!
ヤギ料理の希少部位として「レバー」 もありますが、レバーは(牛・豚・鶏レバーと同様に)栄養価が非常に高い反面、注意が必要な食材です。
ヤギレバーはビタミンAの宝庫ですが、その含有量はトップクラスであり、過剰摂取は健康被害のリスクを伴います 。特にヤギ刺し(生食)としてレバーやその他の部位を楽しむ際は食中毒の注意が必要です。
食中毒のリスクや法的規制については、『ヤギ刺し完全ガイド』で詳しく解説しています
生肉食の安全性は、管理栄養士として最も重視するポイントです。ヤギ刺しが法的にどのような位置づけにあるのか、過去の事故事例、そして安全に楽しむための信頼できる名店選びの基準について、以下のガイドで詳しく解説しています。
「血」の栄養価とチーイリチー
血液が赤いのは、赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質の色です。
ヘモグロビンは、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運ぶという、生命維持に不可欠な役割を担っています。
そして、このヘモグロビンを合成するために必須の構成要素が「鉄」なのです。
このように、チーイリチーが『血を補う』知恵として、体への吸収率が非常に高い『ヘム鉄』を補給できることは、栄養学的に見ても非常に合理的です 。
ヤギは肉や内臓だけでなく、その「血」も「クスイムン」として食されてきました。特にヤギの血を使った「チーイリチー(血イリチー)」は、体への吸収率が非常に高い「ヘム鉄」を豊富に含み、貧血予防の知恵として注目すべき料理です。
まだある!ヤギの恵み「ヤギミルク」の栄養価
「ヒージャーグスイ」の力は、お肉だけではありません。 近年、沖縄でも注目されている「ヤギミルク」 も、牛乳とは違った素晴らしい栄養価を持っています。
ヤギミルクの具体的な栄養価、牛乳との違い、おすすめのお土産やスイーツについては、こちらの「沖縄ヤギミルク総合ガイド」で詳しく解説しています。
まとめ | ヤギは丸ごと「クスイムン」

ヤギ肉の素晴らしい栄養を理解したら、ぜひ現地で味わってみてください。初心者で「臭み」が不安な方は「沖縄ヤギ汁「臭い」は嘘?初心者が「南山」で克服した全方法」 を、生食に挑戦したい方は「安全なヤギ刺しの名店ガイド」 を参考に、最高の「ヒージャーグスイ」体験を!

